食deコミュニケーション ~頭が良くなるには、どんな食事が良いですか?~

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学校法人服部学園理事長 服部栄養専門学校校長

服部 幸應

食育普及の第一人者として、内閣府「食育推進評価専門委員会」座長ほか、数々の公職も務める。

睡眠と朝食をしっかり摂って体と脳のやる気スイッチをオンにする

受験直前、寝る時間や食べる時間を削っても勉強したいという人も多いと思います。でも残念ながらこれは逆効果。睡眠を摂っていない脳は記憶力が低下するため、徹夜した人としっかり寝た人では後者の方が良い成績を出せるということがデータでも証明されています。
 また朝食を抜くのも×。というのは、人が食事から得られるエネルギーは約6時間で消費されます。つまり夜の7〜8時に夕飯を食べると、朝にはエネルギーがすっからかん! それでは記憶力はもちろん集中力も生まれません。そこで大事になるのが朝食です。
 朝食にはエネルギー補給とは別にもうひとつ大事な役割があります。それは体温を上昇させることです。人間は寝ているときは低体温になり、眠りが深ければ深いほど体温が下がったままになります。そして目覚める少し前から自然に体温が上がっていくのですが、このときうまく体温が上がらないといつまでも頭と体が目覚めず、頭がぼーっとした状態が続いてしまいます。しかし朝食を摂ると消化器官が動くことによって体温が上昇し、体と頭が睡眠から活動モードへと切り替わります。つまり朝食には『やる気スイッチ』をオンにする役割があるのです。

理想の朝食は日本のブレインフードご飯と大豆が◎

頭の回転を良くし、より働きを高めるには必須アミノ酸をバランス良く含んだ質の良いたんぱく質を摂ることが必要不可欠。そしてその目安になるのがアミノ酸スコアです。アミノ酸スコアは100に近いほど理想的と言われ、代表的な食品をあげると鮭や卵、大豆などがそれに当たります。
 今、頭の中でピンときた人は優等生! そう、日本の代表的な朝食と言えばご飯に焼き鮭、卵焼きにお味噌汁。これほど脳に理想的な朝食はないと思いませんか? 朝からしっかり作るのは大変…という方はおにぎりはいかがでしょう? 鮭を具にして海苔を巻けばより理想的な朝食になります。
 また朝食を簡単にパンで済ませる人も多いと思いますが、パンだけなど炭水化物に偏った食事ではアミノ酸スコアは低くなりがちです。したがってパン食ならゆで卵やチーズ、ハムを挟んでたんぱく質をプラスし、野菜や果物を加
えてください。受験の前に大事なのは正しい生活のリズムを守ること。しっかり眠って、朝食を食べることで、これまでがんばって勉強してきた実力を発揮しましょう。

つみれと根菜の味噌汁

起きたばかりは体温が低く、脳もエネルギー不足。体を温めて脳をしっかり目覚めさせるには栄養バランスの取れた朝食が欠かせません。つみれの旨味と野菜の優しい甘味が溶け出した具だくさんのお味噌汁は、脳の大切な栄養源であるご飯とも好相性です。
 いわしに含まれる不飽和脂肪酸のDHA・IPA ( EPA ) は血液をサラサラにする働きがあるほか、記憶力を高める効果が期待できます。その他、歯ごたえがあるごぼうや切干大根は、よく噛むことで頭の血流が良くなり、脳の活性化に役立ちます。
 お好みで、しょうがや七味唐辛子を加えると更に体が温まるので、寒いこの時期にはピッタリです。

[1]ごぼう・さつま芋・キャベツは食べやすい大きさに切り、切干大根はサッと洗う。長ねぎは青い部分を小口切りに、白い部分は斜め切りにする。

[2]鍋にごま油を熱し、キャベツ・長ねぎの白い部分を入れて火にかけ、少し色付きしんなりしたら、ごぼう・さつま芋・出汁・1/4 量のみそを入れ沸いたらアクを取る。
※キャベツ・長ねぎを炒めることで焼き色が付き、味噌汁にコクや野菜の甘味がプラスされます。

[3]火が通ってきたら、つみれ・切干大根・豆腐をちぎりながら加えてさらに2~3分煮、残りのみそを加え、味を調える。

[4]器に盛って長ねぎの青い部分をちらし、お好みで七味唐辛子・しょうがを入れていただく。