仕事のスイッチ [ 映画バイヤー ]

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今の仕事を目指したきっかけは?

中学生くらいから洋画がとても好きで、将来は洋画関係の仕事に就きたいなと思っていました。
バイヤーという言葉すら知りませんでしたが、ただ「誰かが海外で映画を見て、それを日本へ持ってくるんだろうな」と思っていて、その誰かになりたいなと思ったのがきっかけです。とは言え、特別に映画の勉強をしたわけでもなく、就職活動も漠然とした気持ちで映画会社を受けていました。
でも、洋画の配給会社には募集がなく、いくつか映画製作会社を受けるも最終面接で不合格。そのとき、落ちたことで「やっぱり映画の仕事がしたい!」と自分の気持ちを再確認して。その時点からでも間に合う会社を探したとき、運命的に見つかったのが今の会社でした。

お仕事の内容を教えてください。

海外の映画製作会社や映画作品を販売している会社から送られてくる大量の脚本を読むことから始まります。
そこからおもしろいな、日本でヒットしそうだなというものを探すのですが、多いときは1日に3本の脚本を読むこともあります。それから、年に4回は海外に出張して現地で買い付けの交渉をします。
今は映画を見てから買い付けることも多くなりましたが、半数は作品が完成する前に脚本を読んで買い付けます。
過去には監督と出演者の名前だけを見て、何億円という買い付けをすることもありました。

映画の値段てどうやって決めると思いますか?
それはその映画が日本でどのくらいの規模で公開できて、どれくらいの興行収入を挙げられるかという予測から算出します。
売り手は少しでも高く売りたいと考えていますし、買い手の私たちは少しでも安く買いたい。そこを交渉するのがバイヤーの仕事です。
例えば、この作品は日本で10億円の収益が見込めると思っていても、実際は1億円にもならないという作品もある。映画の適正価格は上映されるマーケットを知る人でないと値段をつけられません。
なので、欲しいと思った作品が高額で買えなかったこともあります。どんなに良い作品でも赤字を出してしまったら仕事として意味がないですから。

やりがいを感じたり大変だと思うことは?

大変なのは、近年洋画を見る人が減ってきているので、いかに作品のおもしろさを伝えるかということ。
昔は洋画にも日本人なら誰もが知っているスターがいたんです。
例えばトム・クルーズだったりレオナルド・ディカプリオだったり。その人たちが出演する作品は何もしなくてもヒットしたし、収益も見込めました。
でも今はそういった存在がいないので、まず若い人たちに作品自体に興味を持ってもらうところからスタートします。まずどういうコンセプトでこの作品の良さを伝えるかを話し合い、そこから日本で公開するときのタイトル( 邦題)を決めて、そのタイトルにあったイメージのポスターやチラシを作り、マスコミや著名人の方に作品を観ていただくための試写会を開きます。
そして、作品を観ていただいた方々に情報を拡散してもらい、様々なメディアを使った宣伝、広告活動を経て、やっと公開へとこぎ着けるのですが、それまでに費やす時間は半年から1年、長いものでは3年かけた作品もあります。ですから、自分の買い付けた作品がやっと公開され、劇場に足を運んで作品を観た人たちが喜んでくれたり、作品がヒットしたときは、本当にこの仕事をやっていて良かったと思えます。

読者へのメッセージをお願いします

「洋画を扱う仕事に就いて、いつか憧れのダニエル・デイ=ルイスという映画俳優に会う」というのが学生時代からの私の夢でした。
それが今、バイヤーという仕事に就き、その憧れの人とは入社5年目にして会うことができました。
そんな経験から、「自分の目標のために一生懸命になれば、夢はいつか必ず叶う」ということを伝えたいです。そして、もし映画バイヤーを目指すなら、英会話力はもちろん必要ですが、それ以上に高めて欲しいのはコミュニケーション能力。日本とは言語も文化も全く違う国の人たちと交渉するには、相手の要求を聞きながらこちらの意図を伝えなければいけません。
相互理解ができないと交渉が成り立ちませんので、今から人の言うことを一生懸命理解しようとしたり、自分の気持ちを伝える努力をしたり、街で外国人観光客を見たら積極的に話しかけてみたり。日々コミュニケーションをとる努力をしてほしいと思います。

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